病院の休止の意味

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2月に取り上げた小川西町2丁目の地域の中核病院のその後の情報です。本日、議会の幹事長会議の後に病院側から市に連絡が来た内容を知らせるペーパー(上記参照)が議員に配られました。たまたま、今日の午後、衆議院議員の松本洋平氏と都議会議員の高橋信博氏と共に病院に話を聞きに行くことになっていたので、このことについてさらに詳しい話を直接病院から1時間ほど聞くことができました。前回2月の「外来閉鎖」という言葉が、病院自体が閉鎖(無くなる)という誤解を招いたために、さらに経営状況に影響したようですので、言葉の意味を十分理解する必要を感じました。今回は「休止」ですから、言葉上は「再開もありえる」と取れますが、その可能性は非常に厳しいようです。



注意)聞いた話をまとめたものです。誤りや聞き間違い等あるかと思います。転用等しないでください。

①医療制度の改革や研修医制度の改革の影響等もあり、平成17年から19年までは病院部門の経営が赤字となっていた。(整育園、訪問看護ステーション部門は赤字はない)
②そのころより医者を確保するのが非常に困難になっていた。特に内科の先生が見つからず、連携する整形外科への影響もでてきた。
③赤字体質を改善するにはもはや給与に手をつけざるを得なかったが、少しでも下げると医師や看護婦はすぐに辞めていき、さらに医師の確保が難しくなる悪循環となった。
④同時に世界金融危機の影響もあり、資金繰りが悪化し、銀行の融資が受けられなくなった。
⑤昨年11月に病院経営の専門家を入れ、経営改善プラン1次案(1年後に黒字になるプラン)をつくり、理事会の承認を得て、医師の確保に奔走したが、経営再建プランの前提である医師が確保できず、1次案を断念せざるを得なかった。
⑥2月16日の「おしらせ」として、急性期の外来診察を止め、回復期のリハビリテーション病棟(医師は5人ですむ)のみにし、20年度の決算を区切りに、病院としての部門をなんとか残そうとした。(第2次案)
⑦しかし、この「おしらせ」は、病院が閉鎖になるといううわさを呼び、さらに残る予定だった医師から断られるなど、3人の医師の確保もできなくなった。
⑧この間、資金繰りはさらに悪化し(融資期限が短く切られるなど)、債務返済なども多額になり、3月14日の理事会で、病院部門の全面休止(病院経営を全面的に肩代わりできる法人等が現れないかぎり、実質的には再開の見通しはまったくない状態)を決めた。
⑨職員の賃金や退職金など、現在、債務をどう返済、資産整理(売却等)するか、整育園、訪問看護ステーション(続けて運営していく)の今後の経営体制等について検討中。
⑩市民へのおしらせがなかなかできなかったのは、病院維持にこだわり、医師の確保に期待しつづけ、いたずらに時間をかけてしまったことと、理事会承認の手続きなどにも時間がかかったため。結果的に判断が遅れ、経営再建が困難になってしまった。
by snipe-sano | 2009-03-16 22:29 | 事件、事故
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